フナ子と私 ロンポンピアのピアノ編 
07/10.Mon16:32
   ☆お別れ ・・・ :・。・゜゜・(≧◯≦)・゜゜・。・


 歌いながらしゃくりあげる智子をじっと見つめるロンポンピア・・。
 「ごめんね、智子ちゃん。もう、どうにもならないわ・・。向こうへ行った ら楽しいだろうな。ベトナムの子ども達は、みんな初めて私を見るのよ。
 だから私は、みんなに愛されるに違いないわ。子どもたちが休み時間になる とやってきて私を弾くの・・・そしてそれに合わせて、みんなが歌ったり、
 踊ったり・・」
始めは、楽しそうに夢見るように言っていたロンポンピアだが、最後は涙声に
なる。自分を励ますように言いながら、悲しみをこらえきれない・・・そんな
様子に、智子もまた耐え切れなくなる。
 「やめて!ロンポンピア!本当はほんとは悲しいんでしょう、寂しいんでしょ
 う、そうでしょう?」
 「・・・・・・・」
 「だって、だってロンポンピアは私の友だちじゃない!友だちと別れるのが
 嬉しいなんて、そんな人じゃないでしょ?」
涙をぐーーっとこらえて、ロンポンピアはようやく口を開いた。
 「ごめんなさい・・・涙を見せたくなかったの」
 「ロンポンピアぁ・・・」

 

このシーンの収録は、夏休みに行った。
妖精たちも、所々にセリフがあるし、紙ねんどのバッジを作る裏方さんたちも
他のキャストも、総勢10人近く音楽室にいた。
他の音が邪魔にならないように、窓を締め切って。
いや〜、ホントに熱気ムンムンだった。
一番大変だったのは、やっぱりリヨ子だろう。
泣きながらセリフを言って、その場ではOKでも録音したのを聞いてみると、
鼻がじゅるじゅるする音が大きすぎてダメだったり・・。
よし!と思ったら、お腹がグーーッと鳴ってボツになり(笑)。
本当に泣いてしまってヒックヒックしてセリフが全く言えなかったり。
何度も何度もやり直した。
やっとフナ子からOKが出た時は、ホッとした。
開け放たれた窓から、気持ちのいい風が吹き込んだ。
みんな、汗びっしょりだった (⌒・⌒)ゞ

 私は、それらしくセリフを言う。
でも、リヨ子は本当に泣いていた。
そんな風に感情をワーッと出せるリヨ子が、とてもまぶしかったのを覚えて
いる。
 「泣かないでちゃんとセリフを言って!」
とフナ子はダメ出しを繰り返すのだが、たぶん、それが芝居なんだろうけど、
私はリヨ子をすごいと思いながら見ていた。
* テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学 *
  フナ子と私 ロンポンピアのピアノ編 
07/05.Wed13:30
  「新しい校舎でも、みんな一緒だよね!」
  「そうだよねーーー!!」
妖精たちは、陽気に騒ぐ。
その中でロンポンピアだけがぽつんと寂し気にたたずんでいた。
  「どうしたの、ロンポンピア」
いち早く気づいた智子が、声をかける。
  「・・・・・私、一緒に行けないの」
  ( ̄◇ ̄;)エッ (゜○゜)! ( ̄△ ̄;) 。。。。。。ヽ(・ o ・)ノ
一瞬のうちに、凍りつく音楽室。
  「どういうことなの?」
泣きそうになって、ロンポンピアにしがみつく智子。
  「みんなと一緒に行かないの?」
かわいい声でたずねる、涙の精のルジェ。
  「どうして、どうしてなの? そんなのイヤよ!」
マーロが涙声で言う。
  「ロンポンピア、なぜ?」
智子の必死な視線がまぶしくて、ロンポンピアはうつむいた。
  「私は・・・外国へ行くの」
  ( ̄◇ ̄;)エッ (゜○゜)! ( ̄△ ̄;) 。。。。。。ヽ(・ o ・)ノ
  「外国の、どこ?」
パープロイズが、ショックのあまり、あくびをしながら聞く。
  「ベトナムかどこかの新しく作られる小学校に寄付されるの」
智子、ショックのあまり、しがみついていた手を離す。
  「あんな・・・遠いところへ」
  「そんなこと、一言も言ってなかったじゃないか」
ジューイが投げやりに言う。
  「私、何にもしてあげられないわ」
オロオロするばかりの智子を、みんなが支える。
  「いいのよ」
  「でも、ピアノの精は、いっぱいいるんでしょ?」
  「ほかの精じゃ、だめなの?」
ルジェが早くも泣き始め、つられるようにみんなは唇をかんだりそっぽを向いたりする。
後ろでみんなを見守っていたエルベーラが、智子のそばにきて、その肩に手をかけた。
  「30年以上同じピアノについていたら、もう2度とそのピアノから離れ られないの。だからロンポンピアも、このピアノと一緒に行かなければなら ないのよ」
  「そんな・・ロンポンピア、行かないで! お願い!」

 ♪  寂しくなるわ ロンポンピアあなたがいなくなると
    心細くなる 
    もしあなたが行ったら この部屋には
    寂しい歌しか聞こえない
    だからロンポンピア
    ずっと私のそばにいて 
    いつも優しいメロディーで 心をとかしてよ
    だからお願い
    そんな遠くへ行かないで
    ふたり心と心結び合わせ 離れたくない
    だから おねがい

 
この曲は、リヨ子自身が作詞作曲したもの。
「いとしのエリー」にそっくりだ!
と恐縮していたが、とてもかわいい曲でみんな大好きだった。

 
* テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学 *
  フナ子と私 ロンポンピアのピアノ編  
07/02.Sun11:02
 ★ もうひとつのレジスタンス

 ある日の放課後、音楽室に行くと先に来ていた2年生の面々が真剣な顔で隣りのカタナ先生のジャングル部屋の方に聞き耳を立てていた。
  「どうしたの?」
ただならぬ雰囲気に、小声で尋ねると
  「フナ子ちゃんが先生とケンカしてるの」
と言うではないか!
  「ピアノを体育館に移動させてくれって」
何でも、フナ子が「ロンポンピアのピアノ」と呼ぶ、音楽室のこのピアノを
舞台で使いたいと交渉しているのだった。
体育館にもピアノはあるのだけど。
しかし・・・グランドピアノの重さは、尋常ではない。
ホイホイ!と運んで行ける重さではないのだ。
みんな、「何で?」「どうしてそこまで?」と思っているのがありありと伝わってきた。
そのうち、フナ子が泣きながらジャングル部屋から出てきた。
  「ダメだったの?」
と声をかけると、
  「このピアノがロンポンピアなんだもん!このピアノじゃないと意味が
 ないんだよ!」
フナ子は、叫んだ。
その瞬間、その場にいた私たちは、フナ子の強い意志に打たれた。
フナ子はティッシュでハナをびびーーっと噛むと、ドン!と立った。
  「よし! もう一回行ってくる!」
そして、ジャングルに消えた。
・・・・残された私達は・・・フナ子を応援するためにはどうしたらいいか考え始めた。
  「レジスタンスの曲をかけよう!」
と私が言うと、さっそく誰かがテープレコーダーを持ってきてセットした。
ボリュームを最大にする。
 ジャーーーーン! !  人間の思い通りになんかさせるもんか!
流れ始める音楽。
  「私達も行こうよ!」
誰かが言った。みんながうなづく。
意を決して、ジャングルのドアを開けた。
カタナ先生が棒立ちになっていて、低い視線のその先に・・・・
  <>フナ子が土下座をしていた! 
どやどやと入ってきた私達を見て、カタナ先生は逆上した!
  「何だねキミたちは! 出ていきなさいっ!」
そのすごい剣幕に、ひぇーーーっとビビッたが、
  「ピアノを使わせて下さい!」 
と弱気に何とか言って、すごすごと引き下がった。
  「あの曲も、消しなさい!」
と更にたたみかけられ、ドアをバタンと閉められた。
曲を止め、後は静かに成り行きを見守った。
 やがて、シャンとした様子でフナ子が出てきた。
  「ピアノ、使えるようになったよ。みんなありがとう」
私達はホッとして、喜び合った。
隣りのジャングルにカタナ先生がいるので、大っぴらには騒げなかったけど。

 しかし、実際にピアノを運んでくれたのは、2年生の男子生徒たちだった。
重い重いピアノを体育館に運ぶのは、本当に大変な作業だった。
その様子を、フナ子と私はずっと見守っていた。
  「何でこんなことをオレたちがしなきゃいけないんだよ!」
と、口々にののしられた。
その中には、ピアノのふたにはさまれて手に大怪我をした子もいた・・・。
フナ子は泣き、私は小さな声で 「ごめんなさい・・」と言った。
大怪我をした子は、リヨ子の同級生で、
  「こんな怪我をさせられてまで、何であんなことをしなきゃならなかった   んだよ!」
と言われ、やはりリヨ子も
  「ごめんなさい」
と言うしかなかったという・・・。
フナ子の願いは、無謀なものだったのか・・・。
体育館にあるピアノと音楽室のピアノ。見かけは全く変わらない。
誰が見ても、何らちっともどこも寸分も違わない。
しかし、フナ子の中では、全く別のものなのだ。
 人を怪我させてまで、大変な作業をさせてまで押し通すものだったのか。
あの時、カタナ先生は許可を出さない方がよかったのかもしれない。
どんなに私達に恨まれ、憎まれたとしても。
 ・・・( ̄  ̄;)    o(´^`)o

 かくして、正真正銘のロンポンピアのピアノで私達は本番に挑んだ。
怪我をした子、ピアノを運んでくれた子たちはどんな思いで観ていたのだろう
笑顔になってくれたのなら、少しでもお返しができたのだと思いたい。


* テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学 *
  フナ子と私 ロンポンピアのピアノ編 
06/30.Fri17:51
  「こんな夜に、ホントにいいんですかい、先生〜」
  「ええ、さっさと持って行って下さい。お代ははずみますから」
  「そういうことなら・・・ういーっひっひっひっ」
という、悪代官のような会話が聞こえ、ガラガラッと戸が開いた。
同時に息をのむ、智子と教頭。
  「な・・なんだねこれは!」
  「き・・教頭先生・・」
  「真鍋くん、君は何をやっとるんだね、一人で!」
  「え? 一人でってどういうこと?ロンポンピア」
智子、そばにいるロンポンピアに聞く。
  「彼らには見えないのよ、私たちが」
教頭と、解体工事のおじん、おばんたちには、妖精たちの姿は見えていない。
散らかった紙くずや、紙コップ、お菓子や食べ物、飾りたてられた音楽室の中で、ただひとりピアノのそばでオロオロしている、智子だけ。
 ちなみに、この教頭の役は、コマトくん。智子のパパ役。
パパの時はふにゃあ〜としていたが、この時は会社員の格好の上に上着を着てビシッとしていた。・・・・・か?(笑)
更に言葉を重ねる教頭。
  「ぶつぶつ言っとらんで、何かわけを言いなさい!」
・・・まあ、自分の悪巧み(?)が、バレるのを恐れるあまりか、妙に強気である。 しかし、夜に一人で音楽室にいる生徒を見て、驚かないはずはないか。
 追い詰められた智子、後ずさりをする。
  「どうしよう・・・助けて、ロンポンピア!」
様子を見守っていたロンポンピア、妖精たちを振り返る。
そして、全員の気持ちを確かめる。
  「わかったわ。  みんな、いい?」!
妖精たち、ピアノから出てきて決然と立つ!
  「OK!」 とソフィール。
ロンポンピア、かぶっていたベールをかなぐりすてて、言い放つ!
  「ふくろにしな
妖精たち、いっせいに教頭とおじん、おばんたちに襲いかかったぁぁーーっ!
何せ、目に見えないものたちからの攻撃なので、あれよあれよと音楽室の隅にひとかたまりにかたまるのが精一杯!
 (この年に、「不良少女と呼ばれて」というドラマが流行ったのだった。
伊藤麻衣子主演でかなりおもしろかった。私は比企理恵さんがいちばんスゴミがあって好きだったわあーー。そしてこのセリフもかなり流行ったのだ)
 
 そして、ジャーーーン!!とピアノが鳴り、妖精たちが人間の前に姿を現し、歌い出す。

   ♪  人間の思い通りになんかさせるもんか!
      人間だけの地球じゃないんだ!
      
      木を切り倒すのも  人間!
      川を汚すのも    人間!
      排気ガスを出すのも 人間!

      自然を壊すのも人間! 夢を壊すのも人間!
      妖精を殺すのも人間!

 姿を現した妖精たちを見て、ふふんと鼻を鳴らし、反撃を開始する
 教頭とおじん、おばんたち!

  ♪   それがどうしたっていうんだい
      オレたちゃー生きてりゃいいのさ!
      生きてくにゃカネが要る!
      カネを手に入れるには
   
    木だって倒すさ! 自然なんか壊したって構やしないっ!

  ♪  カネさえあれば幸せさ 夢なんて言ってられないよ   
          
 立ち上がったセーチュア
   「それが勝手だって言うのさ、自分だけが生きられればいいなんて」
 そしてとどめのロンポンピア。
   「自然を壊す権利なんて、あなたたちにはないのよ!」
妖精たち、さっきよりもすごい力で、人間たちを攻撃する。

・・・・・・そして、誰も、いなくなった・・・・・
   
  あべこべに、ピアノの下に隠れていた智子がおそるおそる出てくる。
 「あれーー? あの人たち、どこ行っちゃったのー?」
 「あそこよ! すごいでしょう!」
ソフィールが指さした場所は・・・・そこへ、舞台の上から月にぶら下がったおばん、星に頭を突っ込んだおじんの絵が出た。
それは、ルジェ役のイセ子が描いたものだった。
 「すっごーーい!」
 「あれで、みーーんな今日のことは忘れちゃうわよ」
と、ロンポンピア。
 「よかったぁーー、これでもう怒られなくてすむのね!」
ホッと胸をなで下ろす智子。
 「せっかくのパーティーなのに、ジャマが入っちゃったわね」
と、みんなを盛り上げる。
 「ねぇー、誰か歌わない?」と、ソフィール。
おいおい、そんな唐突な!  
 「ジューイがいいわ!」と、マーロ。
みんな、ジューイ、ジューイ!と大合唱!
 「えーーっ!?・・・んじゃあ、一曲!」
嬉しそうにテレながら真中に出てくるジューイ。
そして彼が歌った曲は・・・・・
  「オー・ソレ・ミオ」!
会場は、ドッと大受け! 手拍子がどこからともなく始まった。
力の限り声を張り上げて歌うネムオくん。
大きな拍手に嬉しそうなジューイ。
 彼は、大学で合唱部に所属した。

ジューイの熱唱のおかげで、大いに盛り上がる妖精たち。
  「新しい校舎になっても、みんな一緒だよね」
誰かの言葉に、みんな、そうだそうだと口々に言い合う。
ただ一人、ロンポンピアをのぞいては・・・。

    次に続くのだっ! 

   
* テーマ:エッセイ - ジャンル:小説・文学 *
  フナ子と私 ロンポンピアのピアノ編 
06/27.Tue18:02
パラダイス


 にぎやかな音楽が流れ、妖精たちが陽気に踊り出す。
これは、その当時に始まった、「うる星やつら」の替え歌なのだっ!


  ♪ ヘンだヘンだうそだろ! うそじゃないわほんとうよ
    そーだそーだうそじゃない たいへんだ・だ・だっ

    どこにも地球には 隠れるとこなどないわ
    妖精たちはみんな どこへ行ったらいいの
    世界はパニックなの どうにも止められない
    落ち着いて考えてみると・・・・

    あっちとこっち そっちとこっち 心すまして
    あっちとそっち こっちとどっち? まだあるのよ
    妖精たちのパラダイス
    心をはずませ 躍れるパラダイス!

  ♪ ヘンだヘンだうそだろ! うそじゃないわほんとうよ
    そーだそーだうそじゃない たいへんだ・だ・だっ

 ソフイールが、しみじみと言う
  「不思議ね、人間の世界にこんな子がいるなんて!」
 智子がうきうきと答える
  「あたしだって! 妖精とパーティーしたなんて言ったら、もう
   みんなタイヘンよ!」
 パープロイズが、喜んでパチン!と手を叩いた。

  ♪ 妖精たちのパラダイス 心をはずませ踊れるパラダイス!

その時、早耳のソフィールが、物音を聞きつける。
 「ちょっと待って! 誰かくる!」
音楽室は、一気にしんと静まりかえり、妖精たちの姿は見えなくなる。
 (舞台上では、ピアノの下に隠れている。)
ポツンと一人で取り残される智子。
 
  不気味に響くピアノの不協和音・・・。
そこに入ってきたのは・・・・?

   次に続く!
   
   

    
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プロフィール

まりあちゃも

Author:まりあちゃも
白うさぎ・・40代に突入! 元気に行きますよっ!
黒うさぎ・・ガラスの腰が悩みのタネ
そら色うさぎ・・中1 将来は絵本作家!?
草色うさぎ ・・小4 ちょっぴり臆病な食いしん坊
モモ色うさぎ・・小1 気まぐれな元気娘です♪ 
るちあ   ・・コロコロ大好き♪のアメショーです。

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