月の光 第五章  約束 
03/15.Wed17:27
  「わかったよ、ユナ。光の世界に母さんも父さんも、ボクも還れるように がんばる。」
 ユナは、月の光を写したキラキラの瞳で、にっこり笑った。
  「それから・・・ごめんね。ユナ。病院にお見舞いに行かなくて・・」
カケルは、心に何も残しておきたくなくて、ユナの目を見つめながら言った。
  「お兄ちゃんは、あたしにケルンをくれたわ。そしてここに来てくれて
 あたしと遊んでくれた。それから、あたしのお願いをわかってくれた。
 だから、もういいの。あやまらないで。」
2人の瞳から、同時に月の光の色の涙が、コロコロこぼれ落ちた。
  「・・・・ユナは、ずっと生きているんだよね。いなくなるんじゃ
  ないよね。」
  「そうよ。あたしは光の世界に行って、大人になるんだって。あたしね
  もっともっと上手に絵を描けるようになりたいんだ。」
  「ユナならきっと、すごい絵を描けるようになるよ。」
カケルは、ケルンが笛を吹いて部屋に導いた、チョウたちを思い出した。
 リーデがそっと、ユナの肩に手を置いた。
  「カケル、ありがとう。ユナの願いをわかってくれて。ユナは光の世界で たくさん勉強しながら、あなた方のことをいつも見守っているわ。」
ユナがこくん、とうなづいた。
 そしてリーデの背中に、まぶしいくらいの真っ白な翼が現れて左右に大きく
広がった。
ケルンが、カケルの腕の中をふいにすり抜け、ユナの胸に飛び込んだ。
 リーデとユナとケルンは、ふわりと地面から離れた。
  「約束よ、お兄ちゃん。絶対にまた家族に・・ね!」
  「うん・・。」
  「カケルさあん、さよならは言いませんよ。またお会いしましょうね!」
  「ケルンは何で笑ってるのさ」
  「ユナさんは、私の泣く姿だけは描いて下さいませんでした。私には
   泣いてほしくないとおっしゃって。」
 ケルンは、初めて会った時の笑顔で言った。
  「わかったよ。ありがとう、ケルン。またね。」
その間にも、カケルとユナの距離は離れて行く。
2人は言葉を失って、ただお互いを見つめるだけだった。
あふれ出した涙をふこうともせず・・・。
月の光はユナとリーデとケルンを、ただ優しく包みながら高く高く空へ導いて
行く。
  「ユナぁーーー!!」
 カケルは叫んだ。声の限り。
  「約束するよー! ちゃんと守るからねーーー!!」
 やがて3人の姿は、月の中に溶け込むように、小さく小さく消えて行った。
 カケルはそれでも、月を見つめ続けていた。
チョウたちが、ふわりふわりとカケルの周りに集まってきた。
ユナが、カケルがここに来られるようにと描いたチョウたち。
カケルは、一羽一羽を親しみをこめて見つめた。
 
 ユナ・・・ボクの妹。
 たったひとりのボクの妹。
 ボクは、生きて行くよ。
 キミにまた会うために。
 
 ユナ・・・月の光の中にキミを探すよ。
 この日のこと、ずっと忘れないよ。
 ずっとずっとキミを忘れないよ。
 
 ユナ・・ボクも大人になるよ。
 いつの日か、きっとまた生まれ変わって
 みんなで家族になろうね。
 そして幸せに暮らそうね・・・・。


 カケルの周りに何千と集まったチョウたちは、それぞれに光の粉をふりまき
黄金色のじゅうたんを作った。
そして、月を見つめたままのカケルを乗せてふわりと地面を離れ、静かに
月から遠ざかって行くのだった。



              ・・・・・END・・・・




   月の光を読んで下さったみなさん、ありがとうございました。
終わりまで書けるか自信がなかったのですが、何とか終わることができました
読んで下さる方がいて下さったからこそです。
本当にありがとうございました。

  尚、こんな拙い物語ですが一応、著作権がございますので無断で転載など
しないで下さいね。


 あとがきを書こうと思いましたが、続きを書いてみようかなあ・・・と
思っています =*^-^*=♪
たぶん、旅行から帰ったら・・・。
よろしければ、また読んでやって下さいませ☆


  
 
 

    
* テーマ:児童文学・童話・絵本 - ジャンル:小説・文学 *
COMMENT TO THIS ENTRY
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ちょっと涙ぐんでしまいました。

ステキな物語をありがとうございました^^

続きがあるんですか?。。。すごく楽しみです!期待してますね!^^
カケルくんの家族が、悲しみを乗り越えて強く一つに結ばれることを祈ってます・・・
なんて、勝手なこと言ってごめんなさい^^;

- from めーすけ -
----

めーすけさん☆
ありがとうございます。
何と何と続きは・・・なんて!
楽しみにしていて下さいね★

- from まりあちゃも -
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 悲しみに あたたかさを感じさせてくれる
 素敵なお話でした☆
 続きがあるとしたら、どうなるんだろう??
 カケルくんの成長?ユナのその後?家族のありよう?・・・ん〜楽しみです☆

- from ぽふゆい -
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白うさぎ・・40代に突入! 元気に行きますよっ!
黒うさぎ・・ガラスの腰が悩みのタネ
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