ミーチャを外に連れ出すのに、思いのほか手間取った。
恥ずかしがって、なかなかウンと言ってくれなかったからだ。
外に出ると言っても、その姿は他の人には見えないのだが・・・。
反対にカケルの方が、人目をひいている。
それは、あちこちキョロキョロしてなかなか前に歩いてくれないミーチャを
何とかなだめて歩かせようとするカケルの姿が、怪しい行動に見えるからだった。
(これなら、見えていた方がずっと楽だったな・・・)
なるべくヘンな行動に見えないよう、ミーチャに合わせてゆっくり歩きながらカケルは冷や汗をかいた。
ド ン !!
いきなり何かにぶつかって、カケルはよろけて尻もちをついた。
「あ、ごめんなさい。大丈夫?ケガはない?」
ぶつかったのは女の人で、カケルの手を引っ張って立たせてくれた。
「あわてていて前を見ていなかったものだから。」
言いながら女の人は、カケルの後ろにいるミーチャをじっと見つめた。
「その子・・・妹・・さん?」
カケルはギクリとした。
「あ・・いいえ・・えと・・見、見えるんですか?」
女の人は、肩をすくめて
「ちょっとだけね、急いでいるからごめんなさいね。」
そう、早口でそう言うと、商店街の方へ消えて行った。
カケルは、呆然とその後姿を見送った。
・・・・世の中には、そういう人もいるものなんだな・・・。
ぼんやりとそう思った。
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