月の光  第一章 出会いその2 続き
2006/02/13(Mon)
 月は、だんだん大きくなって行く。
その黄金色の輝きは、カケルのすべてをきらきらと照らしている。
何だか心の奥が、炭酸の入ったジュースの泡のように、ピチピチとはじけて
いるような気がした。
何故だろう・・とてもなつかしくて、とてもうれしい。
遠い日に、母さんの腕の中で感じていたなつかしい思いが、カケルの胸によみがえった。
そしてそれは、小さな痛みとなって通り過ぎて行く。
カケルにとって、ユナは一体何なのだろう。
かわいい妹? それとも・・・。
それまで、ずっと避け続けてきた事に、今真正面から向き合おうとしている。カケルは、思わずため息をつき、それから目の前の大きな月を見つめながら、大きく深呼吸した。
 本当は、ユナのことを嫌いじゃない。嫌いだと思ってしまう、自分が嫌い
なのだ。
 ユナに会おう! 会ってみよう! 自分だって、このままじゃ嫌だ。
カケルは、ようやく決心がつき、もう一度月の光の中で深呼吸した。

 月に向かって飛んでいたチョウたちは、やがて地上に向かって高度を下げた
  「もうすぐですよ」
それまで黙っていたケルンが、カケルに声をかけた。



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