まっすぐな直線ではなく、半円の形の屋根は、先がちょっとハネた感じ。
その下に、横に細長い窓が2つ。
そして屋根と同じ色の2番目の屋根の下は、入り口になっている。
遠くから見ると、何だか、人の顔に見える。
そんな話をしていたらリヨ子が
「ヒクフ先生に似てる!」と言った。
なーーるほど、すました顔をした音楽家という雰囲気が、音楽のヒクフ先生に
そっくり!
フナ子と私とリヨ子はいつまでもげらげら笑った。
その体育館は、「ヒクフ」に命名決定

バレンタインがやってきた。
私は、クロシくんにあげたいのだけど、どうしようか迷っていた。
一応買ってみたものの、面とむかって渡す勇気はない。
話をしたことも、目を合わせたこともない。
遠ーーーくからか、近くても後姿だけ。
フナ子に相談してみたら、クロシくんのバイクにしのばせたらどうか!というフナ子らしい案が出て、さっそく昼休みに実行した。
バイク置き場は、職員室の駐車場を降りた所にある。
職員室からなるべく目立たないように、植え込みに沿って2人で素早く階段を下りた。
誰もいない駐輪場。クロシくんのバイクの荷台にある銀色のカバーの中に、
チョコを見えないように隠して、私たちは走って逃げた。(≧∇≦)
ものすごくドキドキして、ものすごくおかしくて、おなかがよじれるくらい
笑った。
そして、放課後。
図書室の窓からそーーっと見ていると、クロシくんが階段を下りて行く。
そして・・・カバーを広げた! ドサッと落ちるチョコ!
クロシくんは、ハッとした後、あわててチョコをカバンにぶち込んだ・・・
のだという。
私はドキドキして見ていられなかったのだ!
彼はそのまま、ブーーーンと帰って行った。
その中には、裁縫が死ぬほどニガテな私が作った、お守りが入っていた。
そのせいかどうか・・・クロシくんは浪人になった。
そしてホワイトデー。
同じクラスのトモちゃんが、私あての紙袋を持ってきた。
それは・・・クロシくんからのプレゼント。
かわいい白いペアのクマちゃんが入っていた。
お手紙には、ずっとずっと仲のいい友達でいてほしいと書いてあった。
ユーミンの「守ってあげたい」の歌詞も。
私には、その意味がよくわからなかった。
「ずっと友達でいてほしい」というのは、遠回しな「ごめんなさい」
だとも言える。
それから2度と、クロシくんと会うことはなかった。
ウワサすら、聞いたこともない。
まあ、ファンタジーな思い出として今後も私の中で輝き続けることだろう。
☆ミ



