Category [ 物語☆ ] 記事一覧
MoonBird 16
「やっと来てくれたわね、お兄ちゃん!!」 いつもの夢の中の大きな木の下で、ユナが満面の笑みで出迎えた。 あの日・・・マヒロの事件から一週間ほどが過ぎていた。その間、カケルはあれこれ考えて、あまり眠れない日々が続いていた。そのせいでたぶん、ここへ来れなかったのだろう。 ここ・・・。人は、夢を見ている時、霊界に来ることがある。生まれる前、死後に還るこの世界の感覚を忘れないようにするためなのだそう...
MoonBird 15
カケルを殴ろうとして自分を殴ったことが、マヒロをそこまで追い込んだのだろうか・・・。 だとしたら・・・・。 いや!違う!!カケルは自問自答しながら校舎の渡り廊下を駆け抜け、反対側の校舎の屋上を目指す。 普段は行けないはずの屋上に、なぜ・・・・? カケルは、階段を一段ずつとばしながら登り続ける。屋上は、雨漏りの工事のために開いていたのだった。 そして、カケルの視線の先にマヒロが写った。マヒロは、...
MoonBird 14
休み時間にマヒロがやってくるのではないかとカケルは身構えていたがマヒロはカケルの存在を忘れたかのように振舞っていた。 そして、3時間目の音楽の授業を受けるために教室を出たカケルは、暗くよどんだ冷たい視線を背中に感じた。 「おい! カケロー! 何だよさっきのは!!」案の定マヒロたちで、カケルを取り囲み同じ歩調で歩き始めた。 「ボクはカケルだー・・・ってふざけんなよなー。 カケロ!! そして今...
MoonBird 13
「ぶあぁ〜ん!! カケル・・ざあぁ〜ん!!」 「なぜ、そんなに泣くんだよ、ケルン」 ・・・・・・・・なぜかは、わかっているけれど。 「カケルさあ〜ん、がんばってくださいよぅ!!」 パジャマのそでで涙をふいて、カケルは明るく笑った。 「ありがとう、ケルン、がんばってみるよ。」 そして、カケルは初めてケルンを抱き上げた。ティッシュでケルンの涙をふいてやり、ぎゅっと抱きしめる。長い長い間忘れていた、...
MoonBird 12
いきなり、カケルはまた草原にいた。草の匂いと風が心地いい。そしてまた、いきなり目の前にユナが現れた。ルビー2号を通しての壁の中のユナは、街で見かける同級生の女の子たちと同じような服を着ている。けれども、草原で会うユナは、白いワンピースを着ている。 「お兄ちゃんの中のイメージでしょ、これは。」カケルが何も言っていないのに、すねたようにユナが言った。そういえば・・・月の光の中で会った、あの時のユ...


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