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Moombird 20 ☆
  病院から帰った父は、疲れた様子でドサッとイスに腰を下ろし、テーブルに手をついて

頭を抱え込んだ。

  「で・・・・・・どうなの? 美佐子は」

気づかいながらも、祖母の幸子が父の顔をのぞきこむ。

 「美佐子は・・・・・ユナと同じだというんだよ。」

 「同じって・・・・・し・心臓が・・・まさかそんな!! あの子は決して!!」

 「医者もわからんと・・首をかしげていたよ。 一体、何が何なんだか!!」

  ユナと同じ?

  母さんが・・・・ユナと同じ心臓の病気になったって・・・どういうこと?

カケルは今すぐに、ユナに無性に会いたくなった。

会って、話をしたい! 理由を聞きたい!!


 と、視界が急に明るくなり、驚いたカケルが目を上げると・・・・

ユナといつも会っている、大きな木の下のテーブルにすわっている。

そして目の前にはユナがいて、心配そうにカケルを見ていた。

  「な・何? オレ、寝てないけど?」

 「私に会いたいって強く思ったでしょ? だから来たのよ」

 「思ったから?」

 「そう。夢でも来れるし、思っても来れる所なのよ」

 「ユナ!! 母さんは・・・・」

 「そうなのよ。だから私はこうやってお兄ちゃんとコンタクトをとってるの」

 「だから?・・・・・・・どういうこと?」

 その時カケルは、ユナのそばにまぶしい光があるのを感じた。

 「お久しぶりね、カケルくん。 大きくなったわね」

 そう言って微笑むのは・・・・

 「リーデ? 」

 リーデは、ユナの守護天使で、ユナが肉体を離れた時に寄り添っていた存在だ。

 「あなたたちのお母さんが、自分をユナだと思っているということは・・・ユナと同じ病気にも

 なりたいと思っているのと同じでね。

 人は、そうなりたいと思うことを実現できる力を持っているの。

 だから、ユナと同じ病気になることもできるのよ。」

 「じゃあ・・・・・母さん・・・・も?」

 ユナと同じで・・・・・死ぬってこと?

 言葉にはならない強い思いをカケルはグッと飲み込んだ。

 けれども、ここでは心の中の言葉も二人にはわかってしまう。

 「それを避けたいの。だからお兄ちゃんの力が必要なのよ!」

 ユナの瞳から、涙がこぼれ落ちた。

 ・・・・・・・そうだったのか。

 カケルは、ようやくこれまでのことが全て理解できた。

 「お母さんが自分を私だと思っている以上、私は何をしても効果が期待できないの。

 だから、お兄ちゃんが必要なの。

 お母さんにはお母さんの人生があるし、お母さんはお母さんなんだもの・・・・」

 「わかったよ、ユナ。わかったから」

 涙があとからあとから溢れて、言葉にならないユナの思いがカケルの心に波のように届く。

 そして・・・・・・また視界がゆらぎ・・・・・・

 景色がリビングに戻っていた。

 
   
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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

Moon Bird 19☆
   「あの人・・・マヒロさんだっけ? 転校しちゃうのね。」

 幸せな気持ちで眠りについた瞬間、カケルはユナとの会議の場所にいた。
ここは霊界のどこかで、いつでも青々と葉を茂らせている大きな木の下である。

  「ユナ? あ、うん、そうみたい。違う学校で新しく始めるって。」

さすがに最近では眠ってからいきなりここに呼ばれても、カケルは驚かなくなっていた。

  「ふう~ん・・まあ、憑いてた悪魔が離れたから大丈夫だとは思うけど、また戻らない
   ように気をつけなきゃいけないんだけどね・・・」

 ユナは、白い丸テーブルにほおづえをついた。

 「悪魔?・・・・・また戻るってどういうこと?」

 「人はねえ、自分の考えって自分だけにしかわからないって思っているけれど、実は
  とんでもないのよ。」

 ユナは、目を見開いておどすようにカケルを見た。

 「まずは、その人の守護霊でしょ、それから人の思いは一瞬のうちに地球を駆け巡るんですって。
  そしてね、その思いに興味を持った人がキャッチしてその人のもとに一瞬のうちにやってくるん
 ですって。類は友を呼ぶって言うらしいんだけど。」

 カケルは、言葉もなくユナを見つめる。

 「ニュースで、殺人を犯した人が精神錯乱状態で罪に問われない・・・とか何とか言うじゃない?
 あれって、ホント、ちゃんちゃらおかしいのよ!
  だってさ、自分がいつもいつも考えていることが同じ思いを持つ人や、霊を引き寄せているの。
 そして最悪の場合、心と体を乗っ取られちゃうの。
 だから、思いっきり、思いっきり、その人の責任なのよ!!
 心と体を乗っ取られたにしても、それを呼び込んだのはその人自身なのよ。
 全くわかってないのよ、そこんとこ!!」

 ユナは、テーブルをバン!と叩いたり、腕を組んでウンウンとうなづきながら言う。

 「でも、人には、良心があって理性があるから悪い思いと戦うの。そしてたいていは理性が勝つ
 ものなのよ。そんなことをしてはいけないって。
 その人の守護霊も一生懸命応援してるし。
 でも、最近は、簡単に悪魔の言いなりになる人が多すぎるのよ。
 これは嘆かわしい事態だって・・・・この間学校で先生が言ってたわ。」

 霊界にも学校があって、ユナはそこでいろいろ学ぶらしい・・・。

 「心の光を信じて、正しく生きる努力をしなくちゃいけないのよ、人は。
  そうでなくちゃ、この世はどんどん悪魔に支配されて安心して暮らせなくなる。
  地獄の住人が増えると、この世の人たちはどんどん影響されちゃうの。」

 その時、カケルはマヒロに言葉の暴力を受けていた時、マヒロとその仲間たちの周りに黒いモヤの
ようなものが漂い、教室全体が重く空気がよどんでいたことを思い出した。

 「なるほどね・・・・じゃあマヒロはこれからそんな考えを持たなければ、またあんな黒いモヤに
 やられないってこと?」

 「そう! 次の学校では、ちゃんとできればいいわね。」

 「大丈夫だよ、マヒロなら!」

 カケルは、心からそう言った。

 「お兄ちゃん、ひとつ乗り越えて成長したわね!」

 ユナは立ち上がって、カケルの肩をポンポン叩いた。

 「あのなあ・・・上から目線はやめてくれよ!」

 照れ隠しに軽く睨むと、ユナはすまして言った。

 「あら、こっちの世界では、あたしの方がセンパイよ、言っとくけど。
  それに、こっちの世界じゃ、好きな年齢になれるんだから!。」

 「ええ~っそんなのアリかよ!? だけどオレの年は越えるなよな。」

 「わかってるって、お兄ちゃんって呼べなくなるもんね。」

 「カンベンしてくれよな~。」


 あはは・・・・と笑うユナの顔がふいにゆらぎ、カケルはいきなりベッドの上で目を覚ました。

 辺りは、まだ暗い。

 下で、電話の音が鳴り響いている。

 そのせいか・・・・・。

 「はい、え? あ、病院ですか? え?  美紗子が? はいすぐに伺います。」

 緊張した幸子の声が、朝の静寂を破る。

 カケルはガバッとベッドから跳ね起き、階段を駆け下りた。

 「カケル・・・起きたの? 美紗子が・・美紗子が・・し・心臓発作を起こしたらしいんだよ。」

 幸子はカケルにしがみついた。

 心臓発作・・・・?

     そんな!!

  母さんは、心臓は全然悪くないはずだ!!

    それなのに、なぜ?

 カケルは、祖母を支えながら、呆然と立ち尽くしていた。


 

テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

Moon Bird  18☆
   マヒロの家から帰ったカケルを、ミーチャが走って出迎えた。

     「お帰りなさい、カケルお兄ちゃん!!」

 ミーチャは、ある日突然現れた、カケルの母・美紗子の5歳の頃の記憶・・・分身なのだ。
 なぜ、母から分かれてしまったのか、ミーチャ自身にも、誰にもわからない。

 ミーチャを、自分の5歳の娘だと祖母の幸子が認めたので、ミーチャはあの日以来ずっと
この家で暮らしている。

 最も、祖母の幸子とカケルにしか、ミーチャの姿は見えないらしいが・・・。

 ミーチャは、日に日に明るくなって行った。
幸子もミーチャをかわいがり、不思議な存在であるということを、すっかり忘れているようだ。
この家で唯一、ミーチャが見えないカケルの父は帰宅が遅いので、
3人は不思議な関係ながらも、この家で楽しく暮らしていた。

  「今日はねえ、カレーなのよ! ミーチャもカレー大好き!」
 ミーチャは、靴を脱ぎ、洗面所で手を洗ってリビングに向かうカケルのそばではしゃぎ回る。
カレーは、カケルの大好物でもあるので、自然にカケルの顔もほころんだ。

  「お帰り、カケル。ミーチャ、カケルが帰るのがよくわかったね。」
幸子もまた、笑顔でカケルを迎える。
 
 カケルの心は、はずんであたたかい。
   
     家族・・・・。

 そうか、自分にも、あたたかい家族がいる!

 カケルは、カレーの匂いに包まれながら、嬉しさをかみしめた。


  「カケル、今日うちにね、お前の担任の先生が見えたんだよ。」
夢中でカレーをほおばるカケルに、幸子が切り出す。

  カケルは一瞬、ギョッとしたが、幸子の笑顔があたたかいので、そのままカレーを食べ続けた。

  「いろいろ伺ったんだよ。お前のこと。 大変だったんだね・・・美紗子のこともあるのに・・
   いじめた相手を助けるなんて・・・・えらかったね、カケル!」

 幸子は、身を乗り出して向かい側の席から手をのばして、カケルの頭をぐりぐりなでた。
その目からは、涙がポロポロ零れ落ちていた。

 カケルは、学校でのことを祖母に知られて恥ずかしかったが、祖母がほめてくれ、そして泣いて
くれていることが、とてもうれしかった。

  ・・・・・・だから今日は、カレーなんだ・・・。

   「うん、ありがとう・・・・」

 カケルは、ありったけの思いをこめて、幸子に微笑んだ。
こみ上げる涙がこぼれないように、歯をくいしばりながら。

 「幸せ」・・・・これがそうなんだ。
カケルはこの瞬間を、心の中で抱きしめた。


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MoonBird  17☆
  これで何度目になるだろう・・・カケルはため息をつきながら、それでもマヒロの家の
インターホンを押した。
母の美紗子が入院している病院から、家とは反対にあるマヒロの家をカケルはあれから
何度も訪れていた。
 が、その度に 「お帰りください」と、思いつめた声のマヒロの母に断られ続けていた。
   「・・・・・・はい。」
いつもの、思いつめたような、マヒロの母の声。
   「マヒロ君と同級生の、天原です。」
そう告げると、いつものように、間が空いて・・・・。
いつもの言葉が繰り返されるのを待つカケルの耳に、違う言葉が響いた。
  「・・・・・・・・・・お待ちください。」
いつものように立ち去ろうとして一、二歩踏み出していたカケルは、慌ててマヒロのマンションの家のドアの前に戻った。
 
 ガチャリ、とロックを外す音がして、ドアが開いた。
  「どうぞ、お入りください。」
マヒロの母らしき女性が顔をのぞかせ、カケルを招き入れた。
 思いがけない展開に緊張しながらも、カケルは導かれるままに廊下を進み、リビングのソファーに
腰を下ろした。
真っ白い壁に、明るい木の色のフローリング、鮮やかな緑色のカーテン、幾何学模様の絨毯。
テレビを置いてあるリビングボードの上には、家族の写真がいくつもあって。
何気ない空間の中に、カケルは「母のぬくもり」を感じた。 
 
 やがてマヒロの母が、お盆を持ってキッチンから現れ、上品な西洋風のティーカップがカケルの前に
置かれた。
  「きのう、担任の手塚先生が見えて、あなたのことを聞いたの・・・・・・。
   ・・・・・マヒロがご迷惑をかけてごめんなさいね。
   それなのにいつも訪ねてくれて、ありがとう」
マヒロの母は、インターホンとは違う、穏やかな声で言い、カケルに向かって頭を下げた。
  「あ・・・、いいえ・・・そんな」
カケルはあわてて頭を振る。
  「前の学校でいじめられていたあの子が今度はあなたを・・・・。
  それから、それから・・あんなことをするなんて!
  あなたが、助けてくださったんですってね。 ありがとう!」
マヒロの母は、目に涙をうっすらと浮かべて、もう一度カケルに頭を下げた。
 マヒロのことを心から愛し、心配し、深く悩んでいるマヒロの母。
 一方、マヒロと同じことをもしもカケルがいたとしても、自分の母は何も知らず、無邪気に笑って
過ごしていることだろう。
カケルは、マヒロがうらやましかった。
  「もう私、どうしていいのかわからなくて、情けなくて・・・・・」
マヒロには、こんなに心配してくれる母がいる。
  「大丈夫ですよ、お母さん」
 ふと、言葉が思いがけなく口からこぼれて、カケルは自分でもびっくりした。
 ハッと顔を上げ、カケルを見つめるマヒロの母に、カケルは続けた。
  「マヒロくんには、お母さんがいますから。
   きっと立ち直りますよ。マヒロくんは、本当はいいヤツですから。」
カケルは、あの日、校舎の屋上の飛び降りようとした柵の近くから担任の先生に連れて行かれる
間際の、マヒロのまなざしを思い出しながらそう言った。
その時の、まっすぐにカケルの胸に届いたマヒロの思い。
本来は、心のまっすぐな少年なのだとカケルは直感的にそう感じたのだった。

  「ありがとう。そう言ってもらえて、とても嬉しいわ。」
マヒロの母は、初めて少し笑顔を見せた。
  「学校に来るのを、待っていますとお伝えください。」
カケルがそう言うと、マヒロの母は少し目を伏せ、それからまっすぐにカケルを見つめた。
  「ごめんなさいね、あの子は転校することになったの」
  「えっ?」
  「あんな事件を起こしてはね・・・また新しい学校で新しく始めたいってあの子も言うの。」
  「・・・・・・・・そう・・・ですか。」
  「あなたに、お詫びと、お礼と、そしてこのことを伝えたかったの。」
 カケルは言葉もなく、ただうなづいて席を立った。
  ・・・・・その方が、いいのかもしれない。
 そう思いながら。

 廊下を玄関に向かっていく途中、ガチャリとドアが開く音がして、振り返った。
 ほんのわずかな隙間から、マヒロがカケルを見つめていた。
 そのマヒロの言葉にならない複雑な思い。
ガッチリとカケルは受け止めて、
  「またな、マヒロ」
と、肩越しに小さく手を上げた。

 その言葉とはうらはらに、また会える日は、きっと来ない・・・。
背中に、またガチャリとドアが閉まる音を聞きながら、カケルはそう確信した。


 マヒロの家のマンションを出ると、ムッとした湿気を含んだ空気がカケルを包んだ。
季節はまたひとつめぐり、夏を迎えようとしていた。
  「さようなら、マヒロ」
カケルは心の中でそうつぶやいて、家に向かって歩き出した。


 
   
  

 

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MoonBird 16
   「やっと来てくれたわね、お兄ちゃん!!」
 いつもの夢の中の大きな木の下で、ユナが満面の笑みで出迎えた。
 あの日・・・マヒロの事件から一週間ほどが過ぎていた。
その間、カケルはあれこれ考えて、あまり眠れない日々が続いていた。
そのせいでたぶん、ここへ来れなかったのだろう。
 
 ここ・・・。
人は、夢を見ている時、霊界に来ることがある。
生まれる前、死後に還るこの世界の感覚を忘れないようにするためなのだそうだ。
 カケルは、ユナの導きでよくここを訪れるのだ。

  ユナは、今日はやけにカケルを見つめてニコニコしている。
   「な、何だよユナ・・・気持ち悪いからニヤニヤするなよ」
 閉口してカケルが言うと、ユナは胸に手を合わせて目をうるませた。
途端に、ユナの周りの空気がほんのり桜色に染まった。
  「だってえ~、ユシリオン様にお会いできたんだものぉ・・。
    もうカッコよかったわぁ!!」
  「はあ?」
  「ほら、あの人が悪魔に連れ去られそうになった時、助けに現れた
    天使様よぉ!」
  「え?・・・・」   ( ̄□ ̄;)

 ・・・・・・あの瞬間に現れた、まぶしく光る剣で・・あの黒いものを・・  「・・・・もしかして、あの?」
  「そう! サーーッと現れて、光の剣でバッサリ!!」
  「い・・・? 夢かと思ってた」
  「何言ってんのよーー! 自分の守護霊様じゃないの!」
      ( ̄□ ̄;)
  「しゅ・・・しゅごれい・・・って・・天使が? あの?」
  「そうよ! お兄ちゃんって、本当は勇気のある人なのよ」

   本当は・・・ (^-^; あはは・・・
          
  「て・・天使って、天国に住んでる生き物なんじゃないの?」
 するとユナは、人差し指を小さく横に振った。 

  「天使は、人間よ。7次元以上の、仏教で言うなら菩薩なの・・って
  この間習ったわ。高度な意識を持つ魂の人。
  エジソンや、アインシュタインや、ヘレン・ケラーやナイチンゲール
  とか。たくさんの人を救った人たちのことよ」
  「へえ・・・・」
  「そう!人は、そういった高い意識を持つ人になるべく、修行している
  んだって!」
  「ほぉ・・・で、その中に・・ユ・ユリ・・」
  「ユシリオン様!高い次元の方だから、お会いできないんだけど、
    見ちゃったわ!」

 そういえば、あの時、自分の中から抜け出した・・ような気がした。
  「守護霊っていうことは、ずっとオレの後ろにいるの?」
  「そうね、ずっと見守っている役割の方もあるけど、ユシリオン様は
   必要な時にいらっしゃるみたい。お兄ちゃんががんばる時とかね!」

     へえ~・・・そうなんだ。
  「そういうこと、何で当の自分は知らないわけ?」
  「さあ。たぶん、知らないほうが修行になるから・・じゃないの?
   新しい名前で、新しい人生を始める方がいいっていうことよ」

  ふぅ~ん・・・としか言えない・・・・。

  「あ!そうだ! マヒロがオレを殴ろうとした時、助けてくれただろ?」
 すると、ユナはペロッと舌を出した。
 ・・・・・やっぱり!
  「バレた? 霊感あるじゃん、やっぱりお兄ちゃんだわ!」
  「訳わからんこと言うなよ! おかげであいつすごいショックを受けて
   それであんなことになったのかもしれないだろ?」

  「あ・・ハイハイ。ごめんなさい。それについてはリーデにこっぴどく
   叱られました」
  「リーデって、ユナの守護霊・・だっけ?」
 カケルの脳裏に、月の野原で会ったユナにそっくりな天使の姿が浮かんだ。
  「ん、まあ・・・今は私の教育係よ」
  「そっか。それなら安心だ」
  「どういう意味よ~それ!あ、そうだ。あの人それからどうなったの?」
  「まだ学校に来てない。病院の帰りに寄ってみようかと思うんだけど。
   先生も、いろいろがんばってるし。もう大丈夫だと思う。」
  「そう・・・よかったわね」

 ユナが、ふわりと微笑んだ。
 すると2人が立っている大きな木に、金色の光が灯ったように木漏れ日が
一斉にチラチラと輝き始めた。
 それは、カケルを祝福しているように感じられ、カケルは嬉しい中にくすぐったい気持ちになった。

 ・・・・・・・と、遠くから、この世界には場違いな、無機質な目覚し時計
のアラームが聞こえた。
  「あ・・目が覚める時刻だ・・じゃあオレ、帰るわ、またねユナ」
 カケルは、ユナの目の前からスウゥーーーッと大気に溶けるように消えた。 
  「オレ・・・だって!」
 ユナは、肩をすくめて微笑んだ。
  
    
      
  

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プロフィール

まりあちゃも

Author:まりあちゃも
白うさぎ・・40代に突入! 元気に行きますよっ!
黒うさぎ・・ガラスの腰が悩みのタネ
そら色うさぎ・・中2 将来は作家!?
草色うさぎ ・・小5 ちょっぴり臆病な食いしん坊
モモ色うさぎ・・小2 気まぐれな元気娘です♪ 
るちあ   ・・コロコロ大好き♪のアメショーです。
レモン色うさぎ・・1歳☆ 我が家のニューフェイスです(*^^*)

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